希少な、ヤンバルのゆし木棹が和於屋三線に入荷したのでお知らせします。
数量は5本で、大半が「実」と呼ばれる芯材付近のもの。
ゆし木は、正式名称イスノキという木で、古くから家具などにも使用されてきた。
ゆし木棹には、常に「実」とか「実入り」とか言う表記がついているが、これはランクととらえていただきたい。
ゆし木<ゆし木(実入り)<ゆしの実 という順序で高額になって行く。「実」というのは芯材の事だと思っていただいて間違いない。
単なる「ゆし木」で言うと3.5万円~5万円程度。「ゆし木(実入り)だと7万円~9万円程度。「ゆしの実」となると10万円越え~30万円程度までが相場だろうか?

↑今回入荷した、ゆし木(実)棹。クリックで拡大表示されます。
この中では、③の棹が、もっとも芯材であり、もっとも高価なものとなる。
ゆし木材のランクの見分け方はカンタンで、まずは塗りの施されていない芯の部分を見ていただくと、「白い木」であれば辺境材(つまり端っこの材)。「焦げ茶色」だと芯材の部分となる。
つまり「これは、ゆし木の三線だよ!」と三線屋さんから言われたら、まずは芯を見ると、色で判別できる。茶色が濃くなるほど良い材=芯材に近くなる。
面白いモノで、同じ木から採れた棹でも辺境材と芯材とでは、響きの差に天地ほどの違いが生じる。当然重量も全く違う。芯材の方がはるかに重い。更に価格も高くなる。
高額になる理由は、一本の材から、芯材の部分がほとんど採れないからで、ましてや大木のゆし木など滅多に見られない。
ゆし木は、三線の棹材としては、沖縄本島の北部「山原(やんばる)」地域のものが有名だが、むやみに伐採できない木材だ。ヤンバルゆし木は、かなり希少な材となりつつある。
最近では、比較的数の有る宮崎産のゆしも出回っている。私個人としては、沖縄よりも少しでも緯度の高い宮崎産の方が、締まっていて良く響くと思っている。
しかし、「沖縄の材で沖縄の職人が製作」した棹を考えるとき、やはり「ヤンバルのゆし木」は無視できない。
沖縄の材で沖縄の職人が製作した棹としては、他に八重山黒木=エーマ(黒檀のマグロ)があるくらいだろうか・・・。イッペイの木もあるがイッペイは、もともとブラジルの木で、沖縄で沢山増やされた木であることから、もともと沖縄で採れる材は、八重山黒木とゆし木くらいだと思うのだ。
(他にあったらごめんなさい・・・※紫檀や縞黒檀は輸入材です)
元来、沖縄三線は黒木を使い棹を製作する。ゆし木は時として、黒木の代替え材として使用された。
世に言う名器の三線は「開鐘(けーじょー)三線」だが、この名器の中にも「ゆし木」を使った「富盛開鐘(とむーいけーじょー)」が存在している。
ゆし木の三線は、黒木に比べて暖かい音が鳴る。富盛開鐘を作った名工は、恐らくは暖かい音を追求したかったのだろう。
そんな、ヤンバルのゆし木(実=芯材)で製作された棹。きっと暖かな響きを皆様に提供できると思っています。
この機会に、どうでしょうか?
※ゆし木棹のページ→http://www.waoya.jp/html/newpage.html?db=gcom1006&code=94